介護保険外 『老老』を独自支援

介護保険は2006年度からの法改正に伴い、介護保険で提供されるサービスは運用が厳しくなり、同居家族がいる家庭には「老老世帯」でも生活援助型のホームヘルプサービスをうけられなくなっています。

介護保険で東京都渋谷区は、現行の介護保険では対象外となる高齢者へのサービスを、渋谷区独自で提供する新設の制度を2008年1月から実施することになりました。渋谷区が新設するサービスは高齢者が要介護認定者を介護する「老老世帯」を対象に、炊事や掃除、洗濯といった生活援助型ホームヘルプサービスなどを提供してくれます。介護保険で提供されるホームヘルプサービスは同居家族がいる場合、原則として対象外となるが、渋谷区は「老老世帯」ではサービスが必要なケースも多いとの判断から同サービスの新設をしました。

渋谷区の新しい制度は、「要支援2」以上の老老世帯を対象に、ホームヘルプサービスを介護保険の場合と同様に、一割の利用者の負担でサービスを受けることができます。さらに、もともと対象外だった同居家族の炊事や部屋の掃除についても、同様の条件でサービスを受けることができます。

要介護認定者が病院での待ち時間中の介助や、近隣施設への外出の介助は、一人暮らしであっても、もともとは保険の対象外ですが、渋谷区の新しい制度は、これらのサービスについても、同様に受けることができます。デイサービスについても「要支援1」では週1回しか受けられなかったのですが、渋谷区の新しい制度では2回受けることができます。ホームヘルプサービスは「要支援2」で利用時間が1回当たり1時間半に制限されていますが、新しい制度では最大1時間拡大することができます。

このような渋谷区の新しい制度は国が制度化すべきものと思いますが、望めないのであれば新制度をいち早く全国の自治体が積極的に採り入れてほしいものですね。