介護保険法改正で小規模多機能型居宅介護

介護保険法が2006年に改正されたのに伴い制度化されました「宅老所」は、施設への「通い」を中心に「訪問」「泊まり」「入居」などのサービスを柔軟に組み合わせて対応するモデルです。
(1)サービスを受けるようになっても、家や地域との関係を断ち切らない
(2)介護者と高齢者のなじみの関係が作り出せる
(3)1日の生活がスムーズに流れる−などのメリットがあります。

九州の大分県日田市内で小規模多機能型の居宅介護施設が相次いで開設されています。大型の老人ホームなどとは違いまして、お年寄りが住み慣れた地域での在宅の生活を支援するために、住宅街の一角で小ぢんまりと運営されています。各施設では「地域密着」を掲げて、それぞれ趣向を凝らした運営を模索しているのが現状です。日田市内に初めて開設された「陽だまり」では住宅街の一角の木造2階建ての民家をそのまま利用しています。1階の6畳と8畳居間の壁には、広告の紙で作った傘の紙細工が飾られています。施設を利用しているおばあさんが趣味で作ったものですし、春には近くの花月川に菜の花摘みに出掛けたり、福岡、熊本方面までドライブを楽しんでもらったりもしているそうです。担当の主任さんは、小規模のメリットを生かして、デイサービスから訪問介護まで、同じスタッフがきめ細かく対応できるのが強みです。家での生活や雰囲気と変わらない環境に心掛けています。とのことでした。

そのほか「ほうゆう 和の家」では、庭付きの古民家を改修して、通いの高齢者が1日を過ごす「デイルーム」(8畳2間)や介護用ベッドが置かれた泊まり用の個室(六畳)3間などを設けて、介護福祉士らスタッフ6人が世話にあたっているそうです。

伝統の家並みが続く豆田町に近い港町では「ビハーラ豆田」が開設され、3日から運営を始めたそうです。ここは農地だった約1900平方メートルの敷地に、鉄筋2階建ての施設を建設して、小規模多機能型居宅介護と、認知症の高齢者を介護するグループホームの機能を併せ持った施設で、職員14人で運営するそうです。

日田市が策定している老人保健福祉計画では日田市内に同様の施設の整備したい考えのようです。日田市の高齢化率は26.9%で、全国平均(約20%)を上回っており、65歳以上の高齢者は2万人を突破しているとのことです。地域それぞれの工夫で良いところを各地域がいち早く取り入れていくことが良いのではと思います。