介護職員の待遇改善へ国が指針

介護保険で厚生労働省は、介護サービス事業所での職員達の過酷な労働の実態が問題化していることから、都道府県や全国の事業所に労働の時間や賃金についての監督や指導や待遇改善を求める「指針」をまとめました。7月26日の社会保障審議会福祉部会で正式に決定し、関係先に通知しますと発表しました。

社会保障審議会福祉部会の「指針」では、訪問介護やグループホームなどの介護サービス事業所に対し
(1)週40時間労働制が適用されていない小規模事業所(19人以下)も週40時間労働制を導入する
(2)他産業の給与を考慮して、職員の給与を適切な水準とする
ことなどを求めました。都道府県や政令指定都市に対しては、介護サービス事業所で労働基準法が順守されているのか、監督や指導を徹底するよう明記しました。

厚生労働省としましても介護サービス事業所の人件費の原資となる介護報酬について「国民の介護保険料負担の水準にも留意しながら、適切な介護報酬を設定する」としまして、介護報酬の引き上げに前向きに取り組む意向を示しています。

厚生労働省の調査によりますと、介護サービス事業所の介護職員の給与(手当含む)は月額で平均20万8千円(2004年度)で、全産業の平均と比べてみますと12万円以上少ない計算になります。実労働時間は週の平均37・6時間と、統計の上では全産業平均より2・3時間長いだけですが、実際には待機や移動などの時間を含めてみますと「拘束時間はかなりの長時間に及ぶ場合が少なくない」(介護関係者)とのことです。介護職員の離職の率も20・2%と全産業の平均を2・7ポイントも上回っているのが実情です。なんとか早い時点で改善をして欲しいものです。