介護保険 コムスンの不正

介護保険コムスンの不正は人員基準違反です。
事業所に配属する従業者の人員数は、2.5人以上を確保するのが最低基準です。従業者のうち一定の知識と経験を有している「サービス提供責任者」は、介護福祉士またはホームヘルパー1級の資格が必要です。サービスの質を向上させるため、介護報酬上の優遇措置として介護福祉士(国家資格)を有する人を30%以上確保するといった要件が満たされるていると特定の報酬加算がつくシステムとなっています。つまり、質のよい人員を確保するとお金が多くもらえるのです。

しかし、コムスンはこれらの条件を満たさない状態で事業を継続したり、この優遇措置を悪用して報酬加算を得ていました。2006年の介護保険法改正においては、これらの適正化を図るべく特に厳しい基準を設けて注意を促していたにもかかわらず、事業内容の改善は行われませんでした。厚生労働省が「してはいけない」とわざわざ警告していたことなのに、それを無視して違反を継続していたことになります。さらに、マスコミの報道などで、本人が就業していないのに名義だけをそのままにしておいたという実態もわかってきました。それに関してグッドウィル・グループの折口雅博会長は、「就業の約束を突然キャンセルされた」、「急にやめたからだ」などと、苦しい弁明をしていました。