介護保険改定にあわせて「介護情報Q&A」出版


介護保険改定で『介護情報Q&A』(岩波ブックレットNo.700、700円+税)が出版されました。

介護保険法は2000年4月、「介護の社会化」を掲げ、社会的入院の解消や介護家族の負担軽減を目的にスタートし、国民生活に定着しつつある制度です。

 しかし、2006年4月に実施されたはじめての改正では、このまま利用が伸びると制度の持続性が危ういという理由から、軽度の介護を必要とする人たちへのサービスの制限や施設サービスの利用者の負担の増加などの「給付の抑制」がおこなわれました。

 介護保険はそもそもサービスの種類が多く、利用方法もわかりづらい制度ですが、改正により、複雑な内容でさらにわかりにくくなりました。

 岩波ブックレットでは、2003年から続けてきた介護保険法の見直しをめぐる社会保障審議会の各部会や検討会の傍聴を行い、それをもとに、介護保険の基本的なしくみや介護保険料、サービスの種類と費用、困りごとの解決方法、関連情報などを65の用語にわけ、利用する市民の立場からわかりやすい説明にしています。図表を多く載せ、相談できる市民活動グループや情報収集ができるいろいろな機関を掲載し、さらに理解を深めるための関連書籍などを案内しています。

 介護保険サービスの苦情解決機関である都道府県国民健康保険団体連合の相談窓口、相談方法もまとめたリストも巻末についています。

 今後、おこなわれる予定の介護保険料の見直し、「介護予防」(介護予防事業、介護予防サービス)の評価と検証などのスケジュールも入っています。

 今年度は都道府県で「介護給付費適正化計画」策定が進められ、サービスを利用する高齢者や介護者、介護の現場で働く人たちへの「抑制」がさらに強まることが予想されます。もっと他のことに抑制をして欲しいですね。