介護保険法の目玉事業の介護予防、Jリーグがアシスト

 介護保険法の目玉事業である「介護予防」を普及させるため、厚生労働省は15日、サッカーのJリーグと連携する方針を決めました。

 全31チームを対象に今年度、計約4700万円の補助金を交付する模様です。

 高齢者が要介護状態になることを防ぎ、給付費抑制を狙う介護予防は、昨春施行された改正介護保険法の目玉事業だが、人気は今一つ。地域に密着したスポーツイベントを開催し、健康増進や体力向上のノウハウがあるJリーグの力を借りることにしました。

 厚労省などによると、J1のジェフ千葉や鹿島アントラーズ、J2の東京ヴェルディ1969などが具体的な予防のメニューづくりを進めていて、早ければ7月にも事業を始めることになる模様です。

 競技場や練習場の空き時間を利用した健康体操や筋力トレーニング、ウオーキング教室の開催、介護予防の啓発イベントなどが中心となります。

 選手やトレーナーが直接、指導にしてくれるチームもあります。また、群馬県・草津温泉が本拠地のJ2・ザスパ草津では、効果的な湯治方法の指導や、入浴の合間のストレッチ運動なども指導してくれることを検討している模様です。

 介護保険の総費用は平成19年度、年間約7・4兆円です。制度開始時(2000年度)の約2倍に上る。そのため、改正介護保険法では、介護サービスを使う前の虚弱な高齢者を対象とした介護予防事業を導入しました。ところが、対象者の選定がうまくいっていません。

 平成18年度の調査では、65歳以上人口の0・21%にあたる5万人弱に対象者数がとどまることが判明しました。想定していた約3%を大幅に下回ってしまいました。

 厚労省老健局では、「人気や知名度のあるJリーグの力を借りて、地域に根ざした形で、介護予防を各地に広めたい」と強調していて、今回の企画を推進することになりました。