介護保険、09年度の負担者拡大を厚労省断念

 介護保険厚生労働省は2009年度実施を検討していた介護保険料を負担する人の範囲拡大を断念する方針を固めました。

 見直し案を検討していた有識者会議が21日にまとめた報告書では、現行の「40歳以上」から「収入のあるすべての者」か「30歳以上」に広げる2案を併記するにとどめました。

 見直しで、新たに負担の増える若年層や経済界などの理解を得るのが現状では難しいと判断した模様です。 有識者会議は厚労省老健局長の私的懇談会で、昨年3月から議論を進めてきました。

 現在の介護保険は40歳以上の人から保険料を徴収し、主に65歳以上がサービスを受けています。報告書が示した「30歳以上」への拡大案は、基本的な仕組みは現行のまま、保険料を払う年齢を下げる案でした。

 「収入のあるすべての者」に拡大する案では、介護保険のサービスを受けられる範囲を高齢者だけでなく若年の身体障害者などにも介護保険のサービス対象を広げる案でした。