介護保険事業者指定 給付費不正受給の疑い 幸手の2社取り消し

幸手市中四丁目で訪問介護などを行う「佐藤商事」「さくらんぼ」(いずれも佐藤一興代表)が介護サービスを記録した書類を整備しておらず、不正に介護給付費を受け取った疑いがあるとして県は一日、介護保険法などに基づき、二社の介護保険事業者としての指定を九日から取り消すと発表した。不正な請求が確認された場合、事業所に返還を求める。県内での取り消し処分は三件目。

 佐藤商事は二〇〇二年八月から、さくらんぼは〇四年二月から訪問介護やデイケアを行っていた。内部告発を受け、県介護保険課は今年八月に監査を実施。佐藤商事は〇四年九月?〇六年七月までに▽ケアプラン作成で九十四人分の介護報酬を請求しているのに三十三人分の書類しかない▽一万五千七百二十件の訪問介護の請求に対し三分の一(五千二百六十九件)の記録しか確認できなかったことが判明。介護報酬は二社で月額五百?六百万円だった。

 訪問介護の実績記録などは法に基づき記録が義務付けられている。県は改善命令を出すなどして、書類の提出を求めてきたが、事業所側は虚偽報告をするなど改善は見込めなかったという。同課によると、事業所は書類について「紛失した」「記録してない」とし、虚偽請求は否定しているという。

埼玉新聞 - 2006年12月1日