介護保険は2006年度からの法改正に伴い、介護保険で提供されるサービスは運用が厳しくなり、同居家族がいる家庭には「老老世帯」でも生活援助型のホームヘルプサービスをうけられなくなっています。
介護保険で東京都渋谷区は、現行の介護保険では対象外となる高齢者へのサービスを、渋谷区独自で提供する新設の制度を2008年1月から実施することになりました。渋谷区が新設するサービスは高齢者が要介護認定者を介護する「老老世帯」を対象に、炊事や掃除、洗濯といった生活援助型ホームヘルプサービスなどを提供してくれます。介護保険で提供されるホームヘルプサービスは同居家族がいる場合、原則として対象外となるが、渋谷区は「老老世帯」ではサービスが必要なケースも多いとの判断から同サービスの新設をしました。
渋谷区の新しい制度は、「要支援2」以上の老老世帯を対象に、ホームヘルプサービスを介護保険の場合と同様に、一割の利用者の負担でサービスを受けることができます。さらに、もともと対象外だった同居家族の炊事や部屋の掃除についても、同様の条件でサービスを受けることができます。
要介護認定者が病院での待ち時間中の介助や、近隣施設への外出の介助は、一人暮らしであっても、もともとは保険の対象外ですが、渋谷区の新しい制度は、これらのサービスについても、同様に受けることができます。デイサービスについても「要支援1」では週1回しか受けられなかったのですが、渋谷区の新しい制度では2回受けることができます。ホームヘルプサービスは「要支援2」で利用時間が1回当たり1時間半に制限されていますが、新しい制度では最大1時間拡大することができます。
このような渋谷区の新しい制度は国が制度化すべきものと思いますが、望めないのであれば新制度をいち早く全国の自治体が積極的に採り入れてほしいものですね。
介護保険外 『老老』を独自支援
介護保険法改正で小規模多機能型居宅介護
介護保険法が2006年に改正されたのに伴い制度化されました「宅老所」は、施設への「通い」を中心に「訪問」「泊まり」「入居」などのサービスを柔軟に組み合わせて対応するモデルです。
(1)サービスを受けるようになっても、家や地域との関係を断ち切らない
(2)介護者と高齢者のなじみの関係が作り出せる
(3)1日の生活がスムーズに流れる−などのメリットがあります。
九州の大分県日田市内で小規模多機能型の居宅介護施設が相次いで開設されています。大型の老人ホームなどとは違いまして、お年寄りが住み慣れた地域での在宅の生活を支援するために、住宅街の一角で小ぢんまりと運営されています。各施設では「地域密着」を掲げて、それぞれ趣向を凝らした運営を模索しているのが現状です。日田市内に初めて開設された「陽だまり」では住宅街の一角の木造2階建ての民家をそのまま利用しています。1階の6畳と8畳居間の壁には、広告の紙で作った傘の紙細工が飾られています。施設を利用しているおばあさんが趣味で作ったものですし、春には近くの花月川に菜の花摘みに出掛けたり、福岡、熊本方面までドライブを楽しんでもらったりもしているそうです。担当の主任さんは、小規模のメリットを生かして、デイサービスから訪問介護まで、同じスタッフがきめ細かく対応できるのが強みです。家での生活や雰囲気と変わらない環境に心掛けています。とのことでした。
そのほか「ほうゆう 和の家」では、庭付きの古民家を改修して、通いの高齢者が1日を過ごす「デイルーム」(8畳2間)や介護用ベッドが置かれた泊まり用の個室(六畳)3間などを設けて、介護福祉士らスタッフ6人が世話にあたっているそうです。
伝統の家並みが続く豆田町に近い港町では「ビハーラ豆田」が開設され、3日から運営を始めたそうです。ここは農地だった約1900平方メートルの敷地に、鉄筋2階建ての施設を建設して、小規模多機能型居宅介護と、認知症の高齢者を介護するグループホームの機能を併せ持った施設で、職員14人で運営するそうです。
日田市が策定している老人保健福祉計画では日田市内に同様の施設の整備したい考えのようです。日田市の高齢化率は26.9%で、全国平均(約20%)を上回っており、65歳以上の高齢者は2万人を突破しているとのことです。地域それぞれの工夫で良いところを各地域がいち早く取り入れていくことが良いのではと思います。
介護保険料の誤算定知りながら通知
介護保険で年に一度、介護保険の加入者に送る保険料決定通知書について、大阪市が01年度から、電算システムの不備で算定に誤りがあることを知りながら、そのまま発送していたことがわかりました。大阪市はその後文書や電話で個別に正しい保険料を伝えておりますが、余計に保険料を支払ってしまったケースは基本的にないとしています。大阪市は誤算定の不通知を「システムの改修に費用がかかるため」と言い訳をしていますが、「加入者を混乱させる」として、2007年度中にシステムを改良する方針を発表しました。
大阪市は2007年度の通知書は7月18日に、加入者約55万人のうち、保険料に変更があった約46万人に発送しています。その際、減免額が変更された307人の保険料に誤りがあることを承知した上で発送していました。 結果、誤りが基本的にはなかったのではなく、誤りが基本的にあったが正しい表現です。
大阪市健康福祉局の介護保険担当者は「システムの改良に費用や手間がかかるため、対応が遅れてしまった。08年度は全加入者に正しい保険料を通知できるよう改善する」と話していますが、この件はシステムの改良ではなく、システムの誤りを訂正するが正しいと思いますが? どこのお役所も言い訳の研究機関のような気がしますね。
介護職員の待遇改善へ国が指針
介護保険で厚生労働省は、介護サービス事業所での職員達の過酷な労働の実態が問題化していることから、都道府県や全国の事業所に労働の時間や賃金についての監督や指導や待遇改善を求める「指針」をまとめました。7月26日の社会保障審議会福祉部会で正式に決定し、関係先に通知しますと発表しました。
社会保障審議会福祉部会の「指針」では、訪問介護やグループホームなどの介護サービス事業所に対し
(1)週40時間労働制が適用されていない小規模事業所(19人以下)も週40時間労働制を導入する
(2)他産業の給与を考慮して、職員の給与を適切な水準とする
ことなどを求めました。都道府県や政令指定都市に対しては、介護サービス事業所で労働基準法が順守されているのか、監督や指導を徹底するよう明記しました。
厚生労働省としましても介護サービス事業所の人件費の原資となる介護報酬について「国民の介護保険料負担の水準にも留意しながら、適切な介護報酬を設定する」としまして、介護報酬の引き上げに前向きに取り組む意向を示しています。
厚生労働省の調査によりますと、介護サービス事業所の介護職員の給与(手当含む)は月額で平均20万8千円(2004年度)で、全産業の平均と比べてみますと12万円以上少ない計算になります。実労働時間は週の平均37・6時間と、統計の上では全産業平均より2・3時間長いだけですが、実際には待機や移動などの時間を含めてみますと「拘束時間はかなりの長時間に及ぶ場合が少なくない」(介護関係者)とのことです。介護職員の離職の率も20・2%と全産業の平均を2・7ポイントも上回っているのが実情です。なんとか早い時点で改善をして欲しいものです。
介護保険に見る「官」の肥大化
介護保険は、保険者は市町村なんです。被保険の人は外国人も含む市町村の住民なんです。市町村が主体でしなければならないのです。ただし、特別養護老人ホームなどの入所している人については、前にすんでいたところの被保険者になれます。 施設が多い市町村に対して周囲の地域から要介護者が押し寄せた場合に財政的に困るためです。
介護保険法の実態は、生存権を定めている、日本の憲法第25条を満たす条件でなければならないのですが、憲法はもちろんのこと、内閣の提出する法案を国会が審議して、可決し成立させた介護保険法どころか、厚生労働大臣が定めた省令でもなく、厚生労働省本省の局長や課長などが出した通知が制度を動かしているのです。
民主党は、こんどの参院選マニフェストで、「地域のニーズに合った行政ができるように、住民生活に密接な分野については国が細目(政省令)を定めることをやめ、自治体の条例で決められるようにします」としています。それはとても良い考え方なのですが、行政の実態は介護保険に見るように「政省令」どころか「通知」でがんじがらめになっているのが実情です。
その過程での、介護保険制度では、憲法はおろか、法の趣旨である助け合いや家族の負担の軽減といったことからは、どんどん実情が外れていきます。
介護保険制度は、中央の官僚が「難しい理屈」をつけて「サービスを提供してはいけない」ことにするために、自治体の担当者は膨大なエネルギーが割かれています。介護保険は本来「自治事務」なのですから市町村が自由にしてよいと思うのですが、国が地方を通知でガンジガラメにしばっているのです。例えば現場が「もっと柔軟にサービス給付したい」と思ってもとても困難なことなのです。
介護保険料を低所得の人には軽減したくても、国が通知を出して待ったをかけてきます。「自治体が、一般会計から自己の責任で支出することはまかりなりません、それでは助け合いの精神を破壊することになります」というわけなんです。税金だって広い意味では「助け合い」のはずなんですが、中央の官僚はそこのところは教条的なんです。
介護保険利用者と介護保険利用者の家族は、たとえば、要介護者の祖母の孫とした場合に「同居家族がいる」というだけで,サービスを十分に受けさせてもらえないのです。平日の昼間の病院への送り迎えなどは、仕事をしている人は、どうやって送迎をしたらいいいのでしょうか。ある県の条例では、このようなケースでは、親と夫婦、子供の時にしか「看護休暇」の取得を認めていません。そのような実情も考えず,厚生労働省の中央の官僚は机上の空論で通知をつくっているとしか思えません。
社会保障は、人を助ける筈のはずが、「人を切り捨てる仕組みになるため」に、東大の法学部を出た優秀な人材が、夜遅くまで厚生労働省内で書類を作っているのでしょう。市町村では、民間の介護事業者が、サービスの提供だけでへとへになるまで働いているのに、少しでもルールから外れると都道府県の厚生労働省の役人に怒られます。不正がなければよいと思うのですが。
膨大なエネルギーを無駄に浪費しているために、税金の割には行政のサービスが低いのでは、と思ってしまいます。官僚機構の多くの無駄は、議会での意思決定ですべてが行われているからかもしれません。
介護保険 コムスンの不正
介護保険でコムスンの不正は人員基準違反です。
事業所に配属する従業者の人員数は、2.5人以上を確保するのが最低基準です。従業者のうち一定の知識と経験を有している「サービス提供責任者」は、介護福祉士またはホームヘルパー1級の資格が必要です。サービスの質を向上させるため、介護報酬上の優遇措置として介護福祉士(国家資格)を有する人を30%以上確保するといった要件が満たされるていると特定の報酬加算がつくシステムとなっています。つまり、質のよい人員を確保するとお金が多くもらえるのです。
しかし、コムスンはこれらの条件を満たさない状態で事業を継続したり、この優遇措置を悪用して報酬加算を得ていました。2006年の介護保険法改正においては、これらの適正化を図るべく特に厳しい基準を設けて注意を促していたにもかかわらず、事業内容の改善は行われませんでした。厚生労働省が「してはいけない」とわざわざ警告していたことなのに、それを無視して違反を継続していたことになります。さらに、マスコミの報道などで、本人が就業していないのに名義だけをそのままにしておいたという実態もわかってきました。それに関してグッドウィル・グループの折口雅博会長は、「就業の約束を突然キャンセルされた」、「急にやめたからだ」などと、苦しい弁明をしていました。
介護保険改定にあわせて「介護情報Q&A」出版
介護保険改定で『介護情報Q&A』(岩波ブックレットNo.700、700円+税)が出版されました。
介護保険法は2000年4月、「介護の社会化」を掲げ、社会的入院の解消や介護家族の負担軽減を目的にスタートし、国民生活に定着しつつある制度です。
しかし、2006年4月に実施されたはじめての改正では、このまま利用が伸びると制度の持続性が危ういという理由から、軽度の介護を必要とする人たちへのサービスの制限や施設サービスの利用者の負担の増加などの「給付の抑制」がおこなわれました。
介護保険はそもそもサービスの種類が多く、利用方法もわかりづらい制度ですが、改正により、複雑な内容でさらにわかりにくくなりました。
岩波ブックレットでは、2003年から続けてきた介護保険法の見直しをめぐる社会保障審議会の各部会や検討会の傍聴を行い、それをもとに、介護保険の基本的なしくみや介護保険料、サービスの種類と費用、困りごとの解決方法、関連情報などを65の用語にわけ、利用する市民の立場からわかりやすい説明にしています。図表を多く載せ、相談できる市民活動グループや情報収集ができるいろいろな機関を掲載し、さらに理解を深めるための関連書籍などを案内しています。
介護保険サービスの苦情解決機関である都道府県国民健康保険団体連合の相談窓口、相談方法もまとめたリストも巻末についています。
今後、おこなわれる予定の介護保険料の見直し、「介護予防」(介護予防事業、介護予防サービス)の評価と検証などのスケジュールも入っています。
今年度は都道府県で「介護給付費適正化計画」策定が進められ、サービスを利用する高齢者や介護者、介護の現場で働く人たちへの「抑制」がさらに強まることが予想されます。もっと他のことに抑制をして欲しいですね。
介護保険の構造的限界 ― 続・コムスン不正請求!
介護保険で平成18年12月の「コムスンの不正請求」からこの平成19年4月の「介護大手3社・不正発覚」の報道に、介護保険を利用している高齢者の方は大きな衝撃を受けると思われます。介護を必要とする人を食い物にする悪徳業者と思いたくなります。しかし、そこしか頼る所がない高齢者の方は複雑な心境と思われます。
介護保険の不正は厳しく取り締まる必要があります。今、何故この時期に、これほど多くの不正が発覚したのだろうか。
東京都は「介護保険は性善説が前提」といっていますが、介護保険制度の運営は営利目的の民間企業の参入が前提になっており、不正請求の可能性は当初から想定されていたはずなのであります。行政が介護保険の不正に対してどのようなチエック機能があったのか問われるところであります。
厚生労働省は広域的に事業を展開する訪問介護事業者について、指定虚偽申請で一斉に監査するよう全都道府県に通知しました。厚生労働省が一斉に監査を指示することは、介護保険制度が始まって以来、初めてのできごとです。厚生労働省は、都道府県に給付適正化の事業計画の作成を求めるなど、対策の強化を図ろうとしています。現在の介護保険財政の困難を克服するための規制強化にも見えます。そこには介護保険を利用する高齢者の姿はまったく見えてきません。
介護サービスのコムスンの事業指定 不許可へ
介護保険などで介護サービス最大手のコムスンは、雇っていないホームヘルパーなどを働いているように見せかけて介護事業者の指定を不正に受けていたとして、厚生労働省は、今後4年半に亘り、全国で新たな事業所の設置と現在ある事業所の更新を認めないことを決めました。
こうした処分は初めてで、コムスンの全国に2000余りある事業所は、今後、順次、介護保険を利用する介護サービス事業ができなくなります。
介護保険費用、各自治体に削減計画作成を指示
介護保険で厚生労働省は増加する介護保険の費用を抑えるために、地方自治体に費用削減の行動計画を作るように指示を出しました。
作るのは「介護給付適正化プログラム・計画」(仮称)。厚労省は6月に各都道府県の介護保険担当者を集めて指示出し、2008年度からの実施することを求めていく方針です。
要介護度の認定が適切かどうかの事後点検など具体的な削減策の実行に数値目標を設け、計画に明記させるようにする方針です。コムスン(東京・港)などの民間事業者による介護報酬の不正請求が問題で、市町村に厳格な給付を促すことを狙っています。
盛り込む数値目標は介護認定や計画の点検、費用請求の不正防止策の実行度合いなどが対象になります。
介護保険料にボランティア制、活動に応じポイント獲得…65歳以上対象
介護保険で厚労省が新制度、健康維持 給付の抑制狙う
厚生労働省は、介護保険と連動させた高齢者ボランティア制度を考案し、全国の市町村に普及させていく方針を決めた。積極的に社会参加してもらうことでいつまでも元気でいてもらい、介護給付費の抑制につなげる考えだ。
参加を促すため、活動実績に応じてポイントが獲得できるようにし、ポイントで介護保険料などが払えるようにする。大型連休明けに各市町村に通知する。
制度案によると、対象は原則65歳以上の高齢者。高齢者施設で食器を並べたり、高齢者の話し相手をしたりするなど、様々なボランティア活動に参加してもらう。ボランティアで得たポイントは、介護保険料や介護サービス利用料の支払いのほか、自分が頼んだボランティアへの謝礼として使えるようにする。
制度の運営は、介護保険の保険者である市町村が、介護予防事業として行う。高齢者の登録や獲得ポイントの管理は、地元の社会福祉協議会などが担当する。
市町村によっては、既に地域通貨を使ったボランティア制度などがある場合もある。厚労省では、こうした制度と連動させたり、商店街が発行するクーポンと交換可能にしたりするよう促して、地域の活性化にも結びつけたい考えだ。
ボランティア活動の対価としての保険料減免について、厚労省はこれまで、保険の原理を逸脱するとして認めていなかった。06年4月の制度改正で、介護予防事業として実施できるようになったため、今回、改めて通知を出すことにした。
介護予防事業は参加率が低いなど手詰まり感が広がっており、導入する市町村は少なくなさそうだ。
読売新聞 - 2007/4/29
第13回都道府県医師会介護保険担当理事連絡協議会
介護保険について、都道府県医師会介護保険担当理事連絡協議会が,三月十五日,日医会館大講堂で開催された.今秋を目途に都道府県が策定する「地域ケア整備構想(仮称)」のモデルプランを作成した地域の医師会からの報告や,鳥羽研二杏林大学医学部高齢医学教授と榎本健太郎厚生労働省老健局地域ケア・療養病床転換推進室長の講演が行われた.
天本宏常任理事の司会で開会.冒頭,あいさつに立った唐澤人会長は,「厚労省が打ち出した地域ケア整備構想(仮称)は,今後の療養病床の再編にかかわる施策の一つである」としたうえで,「この策定が,地域の特性に応じたものとなるよう,本協議会を企画したので,参考にしていただきたい」と述べ,各医師会に積極的な取り組みを要請した.
地域ケア整備構想(仮称)は,療養病床の円滑な転換に向け,地域ケア体制の整備の方針を定め,地域のサービスニーズや利用見込みを明らかにし,その結果として,療養病床の転換プランを提示するもので,特色ある地域を有する八自治体がモデルプランを作成.
協議会では,そのうち
(一)現に高齢化率が高い地域として新潟県,
(二)将来的に高齢者のみ世帯が増加する等,ニーズの大幅増が見込まれる地域として東京都,
(三)療養病床数が多い地域として福岡県北九州市―から報告が行われた.
(一)では,吉沢浩志新潟県医師会理事が,療養病床からの退院患者は医療区分1の喀痰吸引,経管栄養,胃瘻管理などを必要とする場合も多く,老健や特養が現行の施設設備や人員基準で受け入れることは困難だとし,老健における医療処置の費用が持ち出しになる点も,重度者の受け入れを困難にしていることを指摘した.
また,医療機関の転換意向と,患者の状態から望まれる施設に大きな乖離があることや,特養待機者の多いなかで,療養病床の患者の優先入所を保証できないなどの問題点を挙げ,「圏域内の医療資源のみでは在宅医療を支える地域ケア体制を構築することが困難だ」と述べた.
日医ニュース - 2007年4月18日
高齢者虐待140件/法施行で表面化
高齢者虐待防止法が施行された二〇〇六年四月から一年間に県内の市町村に寄せられた虐待に関する相談は三百五件で、うち虐待と判断したケースは百四十件に達することが、沖縄タイムス社の調べで十四日までに分かった。施設内での虐待三件が初めて確認された。法施行をきっかけに家庭や施設で隠されがちだったお年寄りへの人権侵害が表面化しつつある。
介護関連施設であった虐待報告は「施設職員にたたかれた」などだった。警察の援助を受けた「立ち入り調査」を必要とする深刻な報告例はなかった。
市町村別の相談件数は、百件を超す相談が寄せられた市がある一方、〇件が十七市町村に上るなど、相談態勢の違いなどによるとみられるばらつきがある。
百五十九件と最も多く相談が寄せられた沖縄市では、介護支援センターや民生委員が中心となって虐待相談を積極的に掘り起こしている。市高齢福祉課は「数年前に相次いで発生した高齢者の孤独死を受け、福祉関係者や地域の連絡体制がすでに整備されていた。あらゆる相談が市に寄せられている」と説明する。
全市町村とも虐待の「相談窓口」を設置済みだが、警察など関係機関と連携したネットワークづくりはまだ全体の取り組みが鈍い状況だ。
ネットワークを「設置している」か「本年度中に設置予定」の自治体は全体の約四割にとどまっている。「検討中」が十市町村、「未定」が十四市町村だった。「未定」と答えた市町村の多くは、「現時点で虐待報告がなく、既存の介護保険関係者の連絡会議などで対応可能」とみている。
法制化で虐待が顕在化したことを評価する琉球大学医学部の國吉緑准教授(成人・老年看護)は「虐待が起こってからではなく(相談しやすいなど)起こらない地域づくりが課題。虐待に対する市町村担当者の知識を深めるなど、スーパーバイザーとしての県の役割も重要」と指摘した。(黒島美奈子)
沖縄タイムス - 2007/4/15
介護保険対象の温水洗浄便座を搭載した家具調ポータブルトイレを発売
松下電工エイジフリー・ライフテックは5月21日より、温水洗浄便座を搭載した家具調ポータブルトイレ「<<座楽>>シャワポットLS」を発売する。介護保険の購入費支給対象商品で、同社取扱店で販売する。価格は134,400円。
同社は近年、家具調タイプのポータブルトイレが人気を集めていることから、利便性も配慮した家具調ポータブルトイレを開発したとしている。
同製品は、着脱式で丸洗いができる「防汚トレイ」をトイレポットの下に設けることで、水漏れや飛散水の付着などを防止することができる。
また、一定量の泡で匂いと汚れのこびりつきを防ぐ「泡ガード」機能や、吸収量の強い「ファン脱臭」機能も搭載。利用者に合わせて座面やひじ掛けの高さを調節することが可能で、ペーパーホルダーも片手で切れるなど、使いやすさにも配慮したとしている。
MYCOMジャーナル - 2007/4/9
都、コムスンなどに改善勧告 約4千万円の過大請求
訪問介護最大手で人材派遣業「グッドウィル・グループ(GWG)」の「コムスン」(東京都港区)が介護報酬を過大請求していた問題で、東京都は9日までに、コムスンに対し、介護報酬約4000万円を過大に請求していたと認定。介護保険法に基づき同額の返還を求めるとともに、十分な介護ができるような人員を配置するよう改善を求める勧告をした。
都によると、コムスンは都内3カ所の事業所で散歩や話し相手、マッサージなど、本来は介護保険の対象にならないサービスについて介護報酬を請求していることが発覚。ほかにも薬の服用の手助けなど数分で終わるはずのサービスを「30分間の介護」とするなど約4000万円を過大に請求していたことが分かった。
都は事業所の指定取り消し処分を検討したが、コムスンが処分に先駆けてこれらの事業所の廃止を届け出た。このため、都は介護保険の対象となる施設としての指定を取り消すことをあきらめ、勧告にとどめた。都は、コムスンが処分を避ける目的で事業所の廃止手続きをしたと見ている。
朝日新聞 - 2007/4/10
体操や介護制度学ぶ連続講座 右京老人福祉センターで開講
地域の福祉施設から、介護予防の体操や介護保険制度を年間を通じて学ぶ連続講座が9日、京都市右京区の右京中央老人福祉センターで開講した。初回はお年寄りが肩こりや腰痛を防ぐ体操を体験した。
講座は、同センターが市右京地域介護予防推進センターと太秦老人デイサービスセンターに呼び掛け、初めて企画した。
この日は、市内のお年寄り約40人が参加し、同推進センターの作業療法士中西文彦さんから、腰痛や肩こりの原因などについて聞いた。この後、日常生活でできる健康法を学び、「伸びる場所を意識してください」などと注意点を教わりながら、ひざを手で抱えて股(こ)関節を柔らかくしたり、腕を前に突き出して筋肉を伸ばす体操に取り組んだ。
講座は今後月に2回程度開かれる予定で、次は18日に介護保険制度の内容を紹介する。無料。
問い合わせは右京中央老人福祉センターTel:075(865)8425。
京都新聞 - 2007/4/9
グッドウィルが売られる、今・来期の業績予想を下方修正
グッドウィル・グループ <4723> が売られ、7200円安の9万2800円で取引を終えた。東証1部で値下がり率2位。
29日、今07年6月期と来期の連結業績予想の下方修正を発表、売り物を浴びている。今期の最終損益予想を前回発表70億円の黒字→300億円の赤字としたほか、来期の最終利益も同120億円→100億円と下方修正。
前回発表時はクリスタルの決算期を6月に変更することを前提にしていたが、決算期を3月期に据え置くこととした。コムスンでは、06年4月の介護保険制度の改正で訪問介護事業のビジネスモデルが大きく変わり、利益の確保が困難になった。
また介護予防事業に対応するため、デイサービス事業に対する投資やその関連費用が大きな負担となった。加えて、減損にかかる会計基準を適用し特別損失を計上する。合わせて、今期の中間配当や期末配当を見送る予定であることも示された。
「減損は想定の範囲内で、来期の配当実施予想も考慮すると影響は限定的」(外資系証券)との指摘もあり、大引けにかけやや下げ渋った。
株式新聞 - 2007年3月30日
75歳以上「在宅中心の医療に」…社会保障審議会
社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の特別部会は29日、75歳以上の「後期高齢者医療のあり方」の原案をまとめた。現在は長期間の入院生活を送ることが多い高齢者が、家庭や地域で人間らしい生活を送れるように「在宅医療」重視を打ち出した。
具体的には、地域の開業医が歯科医、薬剤師、看護師らとチームを組み、高齢者を総合的にケアする体制の構築を求めた。
原案は、75歳以上の高齢者の特徴として、
〈1〉複数の疾患があり、認知症など心のケアも必要
〈2〉複数の医療機関を受診する傾向がある――と分析した。
そのうえで、複数の疾患を総合的に診察できる医師が往診する態勢の整備や、介護保険のケアマネジャーらと連携し、医療と介護の一体的なサービスの提供を求めた。
2008年度には、75歳以上の高齢者を対象とする新しい医療保険制度がスタートする。厚生労働省は、新制度に合った新しい診療報酬をまとめ、中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)が07年末に決定する08年度の診療報酬改定に盛り込む方針だ。
具体的には、高齢者の外来診療の一部に、投薬や診察回数に関係なく診療報酬が一定額となる「定額払い制」の導入などを検討する。在宅医療が増え、入院期間の短縮などにつながれば、医療費適正化の効果があると見ている。
読売新聞 - 2007/3/29
介護予防参加者に商品券 予備軍把握で東京世田谷区
東京都世田谷区は19日までに、区の介護予防教室などに参加した65歳以上のお年寄りに、参加回数に応じて商品券などを渡すことを決めた。交通機関での利用も可能なICカードを配布して、券と交換可能なポイント数を管理する。4月から準備を進め、2008年度からの本格実施を目指す。
介護保険制度では、昨年4月から、何もしないと介護が必要となる可能性が高い「特定高齢者」を対象にした予防事業が始まっているが、自治体の多くは対象者の把握に四苦八苦している。
同区の取り組みは、少しでも参加者を募り、特定高齢者を見つけ出すのが狙い。介護の予防教室やイベントの参加者にポイントを付与し、ポイントがたまれば、区内で利用できる商品券やスポーツ施設の利用券などと交換できるようにする。
参加者のうち、必要と思われる人には、特定高齢者として区の事業に参加する対象になるかどうか、チェック項目に答えてもらう。
北海道新聞 - 2007/3/19
ケアサプライ、前期単独経常益14%減
福祉用品レンタル大手の日本ケアサプライが16日発表した2007年1月期決算は単独経常利益が前の期比14%減の27億4200万円だった。
介護度が軽い高齢者の用具レンタルについて介護保険の給付が制限され、利用が落ち込んだ。決算期を変更する08年3月期(14カ月の変則決算)は年間配当を2400円(前期は2600円)に減らすことも明らかにした。
07年1月期の売上高は前の期比14%減の102億円。主力の介護事業者向けレンタルが2割程度落ち込んだ。営業利益は14%減の26億6400万円だった。
08年3月期は経常利益で24億3000万円、売上高は107億円を見込む。10月から完全実施となった介護給付の制限が今期は通期で影響してくるため減益となる見通しだ。
日本経済新聞 - 2007/3/16